皆さんこんにちは、鹿児島の税理士の引地です。
今回は、青色申告の承認を受けていたけど、税務調査によって青色申告の承認の取消しがされた場合のリスク、恐ろしさについて解説したいと思います。
青色承認の取消しのリスク、恐ろしさとは?

うちは、会社設立当初から青色申告の承認を受けているけど、取り消されることってあるの?

はい、あります。
国税庁のホームページに「法人の青色申告の承認の取消しについて(事務運営指針)」というウェブサイトがありますので、そちらが参考になります⇒https://www.nta.go.jp/law/jimu-unei/hojin/000703-3/01.htm

事務運営指針とは、国家行政組織法第14条第2項に基づく、行政側の内部ルールみたいなものですから、あてはまる場合には青色申告取消しがあると思っていいでしょう。

ふーん。まぁ、税理士事務所が勝手に青色申告にしてくれてたから、青色申告のありがたみってあんまり感じないけどね。

まぁ、そうですね。基本的に税理士事務所が関与する顧問先は青色申告にしているケースが大半でしょう。

実は、気づいていないだけで、青色申告のメリットはこんなのがあるんですよ。
・青色欠損金の繰越控除(記事投稿時点では、過去9年間に生じた赤字を当期の黒字から控除できる※既に控除したものは除く)
・少額減価償却資産の特例(30万円未満の固定資産を即時経費化)
・租税特別措置法の特別控除関係(給与が前年より増加した場合の税額控除)

ふーん、そうなんだ。確かに税理士から、去年の赤字と相殺したので、今期の税金はこのくらいになりましたって言ってたな

そうですね。
で、税務調査があったときに、青色申告の取消となったら、その取消事由が生じた以後の年分は白色申告となりますので、おっしゃっていたような青色欠損金の繰越控除は使えなくなりますので、追加の納税が生じる場合あります

?
どういうこと?

例えば、赤字、黒字と交互に生じている法人があったとしましょう。
で、赤字の年が500万円の赤字で、黒字の年が500万円の黒字だったとしましょう。

はい

法人税率が仮に20%だったとして、青色欠損金の繰越控除が使える状況でしたら、赤字と黒字が相殺できるので、500万円-500万円=0円。つまり、通年を通してみたときは利益0円ですので、法人税も0円です

しかし、青色申告承認の取消しとなった場合には、赤字の500万円が相殺できなくなってしまうので、500万円-0円=500万円で、法人税の追加の納税が100万円(500万円×20%)生じることとなります

えー、それはきついな。
うちの会社大きく黒字が出ることもあれば、大きく赤字を掘る年もあるので

他にも、青色の承認の取消となった年に、少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例を使っていれば、それも使えなくなるので、所得が生じることとなります。

へー。意外と青色申告って特典があったんだね
余談

いかがでしたでしょうか?
青色申告承認の取消しのリスクと恐ろしさが伝わりましたでしょうか?
法人の場合は、赤字の年も、黒字の年もあると思いますので気を付けたいですね。
一例として、隠蔽又は仮装によって500万円の所得がもれている場合は青色申告承認の取消しになるようですね。
法人、かつ税理士事務所がついている場合で、社長自身が不正行為をしていないのであれば、青色申告承認の取消は通常考えられませんから、不正行為はしないようにしましょう

 
  
  
  
  
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